このページの本文へ移動

青柳 花子

INTERVIEW
写真:青柳さん

ゲストハウス「おむすびのいえ」オーナー
自分のペースで、
自分らしく生きていける

2013年移住
新潟県新潟市・30代

青柳 花子

写真:青柳さん

移住のきっかけ・経緯

最初に粟島に来たのは一人旅です。ある時ふと行ってみたいと思って、6月の平日に2泊しました。第一印象は「本当に何にも無いところ」でしたね(笑)。でも、のどかな雰囲気と、島の自然が心地良かったです。島の人たちの温かい人柄にも触れて、すぐにここが好きになりました。その次の週に24時間テレビチャリティー委員会共催の「粟島クリーンアップ作戦」に参加して、8月には夏季限定カフェのスタッフとしても訪れました。そうしたらもう「ここに住みたい!」と感じて。それまで私は保育士として新潟市の南区で働いていたのですが、どこか生き急いでいると感じていました。どうしても他人と自分を比べてしまう部分があったんです。ですが、粟島なら自分のペースで、自分らしく生きていけると思い、移住を決めました。

現在のお仕事・活動について

移住から2年間は、こちら(粟島)でも保育士の仕事をしていました。島の暮らしはとても気に入っていたのですが、やはり仕事中心の生活だと島の人やいろいろな物事に出会う機会が限られます。そこで、思い切って保育士をやめて、観光船のスタッフや民宿のお手伝いなどをしながら、2年ほどかけてゲストハウスのオープン準備をしました。
ゲストハウス開設については、以前、雑誌で見つけた東京のゲストハウスに行ったことが大きなヒントになりました。そこでは宿の人が自分たちで民家を改装していたのですが、そこに地域の人も参加して、一つのコミュニティーを作り上げていました。宿泊者と一緒に飲んだり遊んだり、みんなで楽しんでいる空間がとても好印象でしたね。「これ絶対粟島にぴったり!」と感じましたし、粟島にもみんなが集まって楽しめる場所を作りたいと思いました。
私が粟島で作ったゲストハウス「おむすびのいえ」は、お友達や地域の人など、たくさんの人の協力で手作りしています。素泊まり専門の宿ですが、人が集まれば「今日は飲み会する?」「一緒に料理を作ろう!」など、友達の家感覚でみんなが過ごしています。粟島の人と島外の人、老若男女が気軽に遊びに来る場所になって、私もとてもうれしいです。

  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ
  • 写真:おむすびのいえ

移住して良かったこと・苦労したこと

移住してきて実感したのは、時間の流れや気候、自然など、島独特の環境、「何もないことの良さ」です。新潟市内に住んでいた時は、お茶や映画、カラオケに行くなど、お金を払うことで楽しさを得ることがほとんどだったのですが、粟島の特徴は「衣食住に加えて、遊びが創れる」ことです。いいお魚が手に入ったり、近所のおばあちゃんから野菜をもらったりしたら、「せっかくだから美味しいものを作ろう!」となりますよね? 自分でネットを調べて魚をさばいたり、お酒のおつまみを作ったりすると楽しいですよ。ほかにも自分で畑を造ったり、企画して物品販売をすることもあります。そんな風に自分たちで遊びを創っていく面白さがありますね。だから、いろいろと自分のペースで創ってみたい私にとって、粟島での暮らしは良いところだらけなんです。
移住で苦労したことはあまり思い浮かばないのですが、移住前は船を使った引っ越しの手配が分からず不安がありました。私の場合、最初に役場に連絡して仕事を決めていたので、荷物の運送手配から住居まで、全部役場や近所の人が手伝ってくれました。これから移住を検討する方も、島でやりたいこと、就職を希望する場所などを含めて、まず役場に相談しておけば大丈夫だと思います。

写真:おむすびのいえ

これからのビジョン

当面は、まずこのゲストハウス続けること。そして、いろいろな人に来てもらって、粟島への人の流れを作りたいです。その中から、「ここで暮らしてみたい」「ここで起業したい」という方が3人ぐらい出てほしいと思っています。私がゲストハウスを作ったから、あとは食堂とか、コーヒー屋さんとかを作る人が来てほしい。そこでまた新しいコミュニティーが生まれたら素敵ですね。ただ、私も島外に『良き人』ができたりと(笑)、先のことはなかなか分からない部分があります。ゲストハウスをオープンした時はもちろん、今でも不安はいっぱいあります。ですが、「なんとかなるでしょ!」と思えてしまうのも、島の人たちの人情に触れて、のんびりした島の時間を過ごした良い影響だと思っています。

写真:青柳さん

粟島への移住を考えている方へのメッセージ

私はよく「移住女子」と呼ばれるのですが、実際に移住してみても引っ越しの延長上ぐらいに感じています。岩船港まで船で1時間で行けますし、インターネットの通販も2日もあれば届くので、あまり不便を感じたことはありません。ですから、「移住」という言葉をあまり重く受け止めなくてもよいと思います。
ただ、現在移住を考えている方にお伝えしたいのが、粟島への関わり方は住むことが全てではなく、何かしらの形で関わり続けることが大事だということです。遊びに来たり、ゲストハウスに泊まったりして、島に暮らす人の感想を聞いたりしたら良いのではと。不安があるなら先に友達を作るのもアリですね。十分に知った上で、島を好きになってから移住を考えるのが良いと思いますね。