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武田 知治

INTERVIEW
写真:武田さん

粟島浦村役場非常勤職員
海好きな私にとっては
最高の環境

2016年移住
埼玉県さいたま市・20代

武田 知治

写真:武田さん

移住のきっかけ・経緯

大学時代、粟島出身の友達がいて、夏などは島に来てキャンプやバーベキューを楽しんでいたので、前から良いところだと思っていました。私は海が好きで、夏だと毎日でも泳ぎに行きたいぐらいなんです。粟島の海は本当にきれいで、素潜りして魚たちを見ているだけでも楽しいんですよ。
大学卒業後は運送会社で国際物流の営業をしていました。そこで4年ほど勤めたのですが、ある時友達から「粟島で『地域おこし協力隊』」の募集が出ていると聞いたんです。これは総務省が行っている地方創生の一環で、人口が減少していたり、高齢化が進む地域に、外部からの人材を入れて活性化するというものです。話を聞いてから、東京で粟島の地域創生を担当しているコンサルティング会社の方とお会いして、詳しい内容を聞きました。そこで担当者の方から「粟島には若い力がもっと必要」と聞き、移住を決めました。島が好きで、島のために何かがしたいと思っていましたし、将来的には自分で起業したいとも考えていたので、決断は難しくなかったです。粟島浦村役場6次産業化の非常勤職員になって今年で2年目ですが、まずは3年がんばってみようと思っています。

現在のお仕事・活動について

今年から粟島の内浦港にある「粟島直売場 ばっけ屋」の担当になりました。ここは村直営の施設で、鮮魚や野菜のほか、干し魚やアイスなどの加工品も販売しています。インターネットのオンラインショップもあるので、全国どこからでも商品を購入することができます。今の仕事では、直売場スタッフとして店頭に立つことをはじめ、食品の加工作業もしています。また、岩船エリアに営業として出かけて、商品の売り込みをしています。同時に、商品の開発やリサーチのために、直接漁師さんや農家の方にお願いして回ったりもしますね。時には漁船に乗り込んで手伝いをさせてもらって、漁や魚についての知識もいろいろ教えてもらいます。
加工品は実際に島の人に味わってもらうことで、商品展開の拡大にも繋がります。例えば、漁師さんや農家の方に商品の味を確認してもらうと、「美味しいからもっとこの魚をとってこようか」とか、「こっちの野菜も使ってみては?」となるわけです。もちろんインターネットをはじめ、お客さんの評判も聞くことができるので、商品を創り出して皆さんに発信している実感がありますね。自分が積極的に動くことで、新たな商品、新たなビジネスにつながっていくので、やりがいがあります。

  • 写真:武田さん
  • 写真:武田さん
  • 写真:ばっけ屋の商品
  • 写真:武田さん
  • 写真:武田さん
  • 写真:武田さん
  • 写真:ばっけ屋の商品
  • 写真:武田さん

移住して良かったこと・苦労したこと

まず夏だと、仕事が終わって5分で海に飛び込めるのがいいです(笑)。仕事の汗を海で流すので、シャワー感覚ですね。海が大好きなのでそこは最高ですよ。あと、今年から釣りを始めようと思うのですが、粟島はまさに「生け簀に島が浮いている」ほどの豊富な漁場があるんです。先週も港の岸壁から釣りをしていた人が大きな鯛を釣り上げていましたが、釣りが趣味の人にとっては天国ですね。海流が出会う場所に島があるから、魚の種類も豊富で、とれたての魚介が毎日味わえます。
一方で、以前埼玉に住んでいたので、24時間やっているコンビニやファーストフード、スーパーが無いのは困りました。いままで当たり前のようにあったものが無いから、慣れるまでは時間がかかりましたね。遅い時間に外食できるような場所が無く、お惣菜も売っていないので、自分で料理する機会が増えました。仕事終わりに「疲れたからちょっとスイーツでも…」と思っても、食べたかったら自分で作るしかないです(笑)。ただ、岩船港までは船ですぐに行けますし、月に1~2回は村上などで買い物をするので、今ではあまり不便さを感じていません。
移住ということで言えば、住居が少ないのが一つのハードルになるかもしれません。基本的に最初は村営のシェアハウスでの共同生活や、アパート、世帯用住宅になると思います。民間のアパートや賃貸住宅などはありません。私は友達がいたし、以前から島を訪れていたので苦労はしませんでしたが、これから移住される方は、事前に役場の方とよく相談する必要があると思います。

写真:海と魚

これからのビジョン

今後は直売所の販路を拡大して、もっと粟島産の商品の美味しさを皆さんに知ってもらいたいと思っています。ただ、少人数で加工、販売、売り込みを行っているので、その中でどうやって安定して商品を製造するか、さらなる人材を確保していくかなど、課題はたくさんあります。オリジナルお菓子の「枝豆アイスミルク 大事につくった娘です。」のように、乾物や干し魚などの商品をブランド化するなど、これからの方向性を考える必要がありますね。また、現在は公共事業という位置づけなのですが、一つの独立したビジネスとして成立できるよう成果を出していきたいです。そうすることで知名度が上がって、結果的に島に観光客を呼び込んだりできたらうれしいです。
今年は地域おこし協力隊で11人も新しいメンバーが増えたので、まだまだ島に貢献できることは作り出せると感じています。島の人と協力隊、そして「ばっけ屋」で、新しいことにどんどん挑戦したいと思います。

写真:武田さん

粟島への移住を考えている方へのメッセージ

移住したみんなが言っていることですが、まず実際に遊びに来たほうが良いです。それも夏と冬の2回です。夏はもちろん、きれいな青い海で泳いで、粟島の良さを満喫してみてください。冬は脂ののった魚介が抜群に美味しいですが、灰色の空と強い風の日が続き、海が荒れることがしばしばあり、船が出ないことも多いです。それを体験すれば、島での一年を想像できると思います。もちろん、事前に役場の職員としっかりと打ち合わせすることも必要です。
何度か遊びに来て、粟島の雰囲気や風土を理解した上で、トータルに考えて「移住してみたい」と思えたら、きっと島の暮らしを楽しめます。どんなにやりたい仕事があっても、生活が楽しくないと持たないと思いますので。「やりたい仕事がある」「自然や文化を含めて島が好き」というバランスがとれていて、「だから生活してみたい」と思える方なら、いつでもウエルカムですね。